ひとことで言うと
In One Line10月14日 追記:SBI証券が障害と発表、ポジションは元に戻した
日本経済新聞(10月13日)によると、SBI証券は13日、12日の午前7時半ごろにFX取引でシステム障害が起き、担保の株の評価額が「ゼロ円」と判定されて、一部の人のポジションが強制決済されたと発表しました。13日の朝までにシステムを直し、強制決済されたポジションも元に戻したとしています。何人が影響を受けたか、補償があるかは、まだ確かめられていません。口座がある人は、ポジションが戻っているかと、自分で建て直したポジションと二重になっていないかを確かめてください。
SBI証券で「株を担保にしてFXをしていた人」の口座で、担保の株が数えられず、ロスカットされたという報告がSNSで相次いでいます。
SBI証券は10月10日(土)6時から12日(月)7時まで、臨時メンテナンスをしていました。明けた12日の朝7時台から、Xなどで「ポジションが強制決済された」「担保の株が0円になっている」という投稿が次々に出ました。アプリには緊急のお知らせが出た、という投稿もあります。
その後、SBI証券は13日に「システム障害だった」と発表し、強制決済されたポジションを元に戻したと報じられています(日本経済新聞、10月13日)。何人が影響を受けたか、補償があるかは、まだ確かめられていません。
臨時メンテナンス
10月10日6時から
12日7時まで。
株の担保の掛け目
ふだんは前の営業日の
株価の70%で数える。
強制決済されたポジション
13日朝までに
元に戻したと発表。
最新の状況(10月13日14時)
- SBI証券のログインなしで見られるお知らせ一覧には、14時の時点でもこの件は載っていません。
- Xには「SBI証券が株券担保の代用評価額が反映されていないと発表した」という投稿があります。ログイン後のお知らせとみられ、当サイトでは原文を確かめられていません。
- 「ロスカットされたポジションは戻してもらえるのか、自分で建て直すべきか」と迷う声も多く出ています(このページの「ポジションは戻るの?」で整理しています)。
何があったのか
What Happened時間の流れで並べると、こうです。会社が公式に出していることと、SNSの投稿で分かっていることを分けてあります。

投稿をまとめると、メンテナンスが終わった直後に、FXの口座に入れていた株の担保の値打ちが0円として扱われ、そのせいで証拠金が足りないと判定された、という内容が多く見られました。朝のうちに大量の約定メールが届いた、という声もあります。
Xでは「追証(足りないお金の請求)が来た」「元に戻してほしい」という投稿も多く見られました。一方で、しばらくして担保の数字が戻ったという投稿もあり、人によって状況が違うようです。
投稿の中には、「メンテナンスが明けた7時ちょうどに、まとめてロスカットされた」「担保の株の振替(株を担保に回す手続き)が7時まで止まっていた」という声もあります。どれも投稿ベースの話で、SBI証券はこうした流れを公の場では説明していません。
なお、10月13日は、岡三オンライン証券の日本株と投資信託の事業がSBI証券に移る日です(3月26日に両社が発表)。直前の3連休に臨時メンテナンスがあった形ですが、今回の件とメンテナンスの中身の関係を、SBI証券は公の場では説明していません。
用語カード
メンテナンス
システムを直したり入れ替えたりするため、サービスを止めること。
ロスカット
損が大きくなりすぎる前に、会社が自動でポジションを決済してしまうしくみ。
ポジション(建玉)
いま持っている「買い」や「売り」の取引のこと。
追証(おいしょう)
証拠金が足りなくなったときに、追加で入れるよう求められるお金。
株の担保ってなに?
How Collateral WorksSBI証券には「株券担保サービス」というしくみがあります。持っている株を、FXの証拠金(取引の元手)の代わりに使えるサービスです。現金を用意しなくても、株を担保にしてFXができます。
ただ、株はまるごとの値段では数えません。SBI証券の説明では、原則として前の営業日の株価の70%で数えます。これを「代用評価額」と呼びます。100万円分の株なら、担保として数えるのは70万円です。

図の例でいうと、現金30万円と株の担保70万円で、証拠金は100万円です。ところが株の分が0円で数えられると、証拠金は30万円しかないことになります。取引の大きさは同じなので、証拠金維持率(どれだけ余裕があるか)が一気に下がり、ロスカットの水準を割ってしまう、という流れです。
報告されているのは、まさにこの「株の分が数えられない」状態でした。
用語カード
株券担保サービス
持っている株を、FXの元手の代わりに使えるSBI証券のサービス。
代用評価額
担保として数える株の値打ち。原則、前の営業日の株価の70%。
掛け目(かけめ)
「何%で数えるか」の割合。70%なら100万円の株は70万円分。
証拠金維持率
取引の大きさに対して、元手にどれだけ余裕があるかの割合。下がるとロスカットが近づく。
口座を持っている人が、いま確かめたいこと
What to Check NowSBI証券で株を担保にFXをしている人は、次の3つを見ておくと安心です。

1つ目は記録です。取引履歴、約定メール、画面のスクリーンショットは、あとで会社に問い合わせるときの材料になります。消える前に保存しておきましょう。
2つ目は担保の数字です。SBI証券の案内では、FX取引サイトの「口座情報」の画面で「代用有価証券充当評価額」が見られます。ここがいつもどおりの数字に戻っているかを見ます。
3つ目は会社の案内です。この件のお知らせは、ログインしたあとの画面に出ているという投稿が多くあります。ポジションを元に戻すのか、補償があるのかは、会社の案内を見るのがいちばん確かです。分からないときは、問い合わせ窓口で聞けます。
なお、10月13日は4時から6時までFXサービスが止まっていました(SBI証券の公式案内)。10月17日(土)には、くりっく株365が4時55分から16時まで止まる予定です。
アプリに入れない、お知らせが見つからないとき
If You Cannot Log Inこの件のお知らせは、ログインしたあとの「重要なお知らせ」に出ている、という投稿が多くあります。ところが、SBI証券のよくある質問によると、「重要なお知らせ」を確認していないと、FXアプリがログインエラーになることがあります。

手順は3つです。①パソコン用のサイトにログイン、②ホーム画面の右側の「メッセージボックス」を開く、③未確認の「重要なお知らせ」で「承諾する」などのボタンを押す。SBI証券の説明では、本文を読んだだけでは「確認済」にならず、ボタンを押す必要があります。押せば、アプリからすぐにログインできるようになります。
お知らせの中で、ポジションの扱いについて「どうしたいか」を聞かれている場合もありえます。読み飛ばさず、期限が書かれていないかも見ておきましょう。
用語カード
メッセージボックス
SBI証券のサイトの中にある、会社からの連絡の受け取り箱。ホーム画面の右側にある。
重要なお知らせ
会社が「必ず読んでほしい」連絡。ボタンを押して確認済にしないと、アプリに入れないことがある。
ポジションは戻してもらえるの?
Will Positions Be Restored?いちばん気になるのはここだと思います。結論から言うと、SBI証券は、強制決済されたポジションを13日の朝までに元に戻したと発表しました(日本経済新聞、10月13日)。補償があるかは、まだ確かめられていません。ここでは参考に、ほかの証券会社が公開している「システム障害のときのルール」も見ておきます。

たとえば松井証券の「FXにおけるシステム障害の定義」では、システム障害でロスカット注文が正しく動かなかった場合は「本来あるべき約定内容に修正」するとしています。これを「過誤訂正」といいます。楽天証券の「システム障害発生時の対応」も、本来の値段に直したり、差額を会社が負担したりする、と書いています。
一方で、どちらの会社も、「ログインできなくて注文できなかった」「決済が間に合わなかった」といった機会損失は、補てんの対象外としています。注文が会社に届いていないので、いくらで約定したはずかが決められないからです。法律(金融商品取引法)でも、証券会社が客の損を穴埋めすることは、決められた場合を除いて禁止されています。
今回は、「担保が数えられなかったせいでロスカットされた」という報告です。会社の側で起きたことなので、過誤訂正の考え方に近い話ですが、実際にどう扱うかを決めるのはSBI証券です。SBI証券は、ポジションを元に戻す対応をとりました。
なお、会社がポジションを戻したので、自分で同じポジションを建て直していた人は、二重になっていないかを確かめてください。戻った中身が分からないときは、ログイン後のお知らせと問い合わせ窓口で確かめるのが安全です。
用語カード
過誤訂正(かごていせい)
システムのせいで正しく動かなかった注文を、会社が本来の形に直すこと。
機会損失
「注文できていたら得られたはず」の損。値段が決まらないので、ふつうは補てんされない。
損失補てんの禁止
証券会社が客の損を穴埋めすることは、法律で決められた場合を除いて禁止されている。
よくある質問
FAQ株を担保にしていない人も影響がありますか?
報告が集まっているのは、株を担保にしてFXをしていた人です。それ以外の人への影響について、会社の公開の説明はありません。
ロスカットされたポジションは元に戻りますか?
SBI証券は、13日の朝までに強制決済されたポジションを元に戻したと発表しました(日本経済新聞、10月13日)。自分の口座で戻っているかを、建玉の一覧で確かめてください。
自分で同じポジションを持ち直したほうがいいですか?
会社が元に戻す処理をした場合、自分の注文と重なって二重になるおそれがあります。まずログイン後のお知らせで、会社がどう扱うかを確かめてください。
FXアプリにログインできません。
SBI証券のよくある質問では、「重要なお知らせ」が未確認だとログインエラーになることがあるとしています。パソコン用のサイトのメッセージボックスで、未確認のお知らせのボタンを押してください。
原因は何ですか?
担保の株の評価額が「ゼロ円」と判定されたシステム障害だった、と発表されています(日本経済新聞、10月13日)。なぜそうなったかの詳しい説明が出たら、この記事に追記します。
信用取引の担保も影響を受けましたか?
公開ページでは、信用取引についての案内は見つかっていません。
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Related※SBI証券の公式ページ(「定時・臨時システムメンテナンスのお知らせ」、FX取引 株券担保サービスの案内、3月26日の岡三オンライン証券事業の吸収分割の発表、よくある質問「FXアプリが『ログインエラー』でログインできなくなりました」)、松井証券「FXにおけるシステム障害の定義」、楽天証券「システム障害発生時の対応」と、10月12日・13日のXの投稿をもとにしています。投稿の内容は、会社の発表ではありません。10月14日に、日本経済新聞「SBI、FX取引で一時システム障害 担保判定できず強制決済」(10月13日)をもとに追記しました。
出典:SBI証券「定期・臨時システムメンテナンスのお知らせ」(2026年10月13日確認)/日本経済新聞「SBI、FX取引で一時システム障害 担保判定できず強制決済」(2026年10月13日)。
