ひとことで言うと
In One Line仮想通貨と同じしくみで株や債券を動かす「トークン化」が伸びていて、IMFがその良い点と危ない点をまとめました。
報告書によると、公開の市場で取引されるトークン化資産は、レポ取引を除いて約651億ドル(2026年7月31日時点)です。それでも、米国債の発行残高と比べると0.20%、米国株S&P500の時価総額と比べると0.12%にとどまります。

トークン化資産
レポ取引を除く
公開市場の合計。
トークン化レポ
1日あたりの取引額
(30日平均)。
株式の2社の割合
オンド・ファイナンスと
バックド・ファイナンス。
トークン化とは
Tokenizationトークン化は、株や債券、投資信託などの持ち分を、暗号資産(仮想通貨)と同じブロックチェーンの上で記録して動かすしくみです。報告書は、決済が速くなる、24時間いつでも取引できる、小さな単位に分けて買える、といった良い点を挙げています。
用語カード
トークン化
株や債券などの権利を、ブロックチェーン上のトークンとして表すこと。
RWA
現実資産(Real World Assets)。株・債券・不動産など、ブロックチェーンの外にある資産。
MMF
マネー・マーケット・ファンド。短い期間の債券などで運用する、現金に近い投資信託。
レポ取引
債券を担保にして、短い期間お金を貸し借りする取引。
何がトークン化されているか
Market Size中身で多いのは債券やローンなどのクレジットで304億ドル、次がMMFの175億ドルです。債券とMMFを合わせた「債券など」が約480億ドルで、全体の大半を占めます。株式は約23億ドルとまだ小さめです。

買っている人も分かれていて、トークン化株式は個人が中心、債券やMMF、レポ取引は機関投資家が中心です。トークン化株式を持つアドレスは約93万あります。このほか、公開されていない市場にも少なくとも80億ドルのトークン化債券があるとしています。
トークン化株式の特徴
Tokenized Equityトークン化株式は、発行が2つのプラットフォームに集中しています。オンド・ファイナンスとバックド・ファイナンス(xStocks)の2社で、価値の70%超を占めます。どちらも主に米国の外に住む投資家向けの商品です。
また、トークン化株式の取引の50%超は、米国の株式市場が開いていない時間に行われています。夜の間にトークンの価格が動くと、翌朝に本物の株の価格がその動きの87〜99%を取り込んでいたという分析も載っています。一方で、規模が小さいため、本物の株より流動性が低く、値動きが大きく、市場がばらばらだとも書いています。
IMFの提言
Policy報告書は、いまのところ金融全体へのリスクは限られるとしたうえで、トークン化が広がったときに備えて、次のような提言をしています。

ほかにも、法律でトークン化資産の権利をはっきりさせること、試験的に試せる制度(サンドボックス)をつくること、ネットワーク同士をつなげること、トークン化の市場と従来の市場のつながりを見張ることを挙げています。
仮想通貨の口座を使う人の見どころ
For Traders報告書が示しているのは、暗号資産のしくみが株や債券の世界にも広がり始めているという流れです。
海外のサービスで「トークン化株式」をすすめられたときは、日本で登録のある業者かどうかを、金融庁の登録業者の一覧で確かめると安心です。
よくある質問
FAQこの報告書はいつ出ましたか?
2026年10月13日に、IMFが国際金融安定性報告書(2026年10月)として公表しました。
トークン化資産の市場はどのくらいですか?
レポ取引を除く公開市場で約651億ドルです(2026年7月31日時点)。
IMFは危ないと言っていますか?
いまのところ金融全体へのリスクは限られるとし、広がったときへの備えを提言しています。
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Related出典:IMF「国際金融安定性報告書(2026年10月)」(2026年10月13日)/IMF「Global Financial Stability Report, October 2026」第3章(2026年10月13日)
