先に答え
Quick Answer仮想通貨とは、インターネット上でやりとりできる、お金のような価値を持つデータです。3行でいうと、こうなります。
ネット上のデータ
紙のお札やコインはありません。記録はインターネット上にあり、人から人へ送れます。
国が価値を保証していない
円やドルのような「法定通貨」ではありません。だから値段が毎日大きく動きます。
登録業者で円と交換
日本では、金融庁・財務局に登録した「暗号資産交換業者」で買ったり売ったりします。
「仮想通貨」と「暗号資産」は同じものです。2020年5月に施行された法律の改正で、法律上の呼び名が「暗号資産」に変わりました。金融庁や税務署の資料は「暗号資産」、ふだんの会話やニュースでは「仮想通貨」がよく使われます。この記事では「仮想通貨」を中心に書きます。
日本暗号資産等取引業協会の統計では、会員の業者にある利用者の口座は、2026年8月時点で約1,447万口座です。もう、めずらしいものではありません。
仮想通貨のしくみ
How It Works仮想通貨を支えているのは「ブロックチェーン」という記録のしかたです。
銀行の振込では、銀行が「だれがだれにいくら送ったか」をまとめて記録します。仮想通貨では、取引の記録を、たくさんの参加者が同じ台帳として持ち合います。日本銀行も、仮想通貨は銀行などの第三者を通さずに価値をやりとりできるしくみとして注目された、と説明しています。

取引の記録は「ブロック」という箱にまとめられ、前のブロックとくさりのようにつながっていきます。どこか1か所だけを書きかえても、ほかの人が持っている台帳と合わなくなります。そのため、記録をこっそり変えにくいのが特長です。
ただし、これは「記録が変えにくい」という話です。自分のパスワードを盗まれて送金されてしまうと、取り戻すのはむずかしいので、ここは分けて考えてください。
用語カード
ブロックチェーン
取引の記録をブロックにまとめて、順番につないでいく台帳。たくさんの参加者で同じものを持つ。
ウォレット
仮想通貨を入れておく「おさいふ」。交換業者の口座の中にあるものと、自分で管理するものがある。
秘密鍵
コインを送るときに使う、本人だけが知るカギ。他人に知られると、コインを動かされてしまう。
円や電子マネーとのちがい
Not Legal Tenderいちばん大きなちがいは、1あたりの値段が毎日上がったり下がったりすることです。

交通系ICカードやスマホ決済などの電子マネーは、チャージした円を前払いで使うしくみです。1,000円分は、いつでも1,000円分です。
仮想通貨はちがいます。日本銀行は、仮想通貨は国や中央銀行が発行した法定通貨ではなく、裏づけとなる資産も持っていないことなどから、値段が大きく動きやすいと注意をよびかけています。買う人が多ければ上がり、売る人が多ければ下がります。
法律(資金決済法)では、暗号資産を次のような性質のものと決めています。日本銀行の説明を短くすると、この3つです。
| 性質 | 中身 |
|---|---|
| 支払いに使える | 不特定の人に使え、円やドルと交換できる |
| 電子的に記録 | データとして記録され、送れる |
| 法定通貨ではない | 円・ドルや、プリペイドカードなどとは別物 |
用語カード
法定通貨
国が決めた正式なお金。日本では円。お店はふつう、支払いに受け取ってくれる。
資金決済法
電子マネーや暗号資産などのルールを決めている法律。正式名は「資金決済に関する法律」。
暗号資産交換業者
金融庁・財務局に登録して、仮想通貨の売り買いや保管をする会社。登録のない会社は営業できない。
代表的なコイン
Major Coins仮想通貨にはたくさんの種類があります。まずは名前をよく聞く2つを知っておけば十分です。
| 名前 | 単位 | ひとことで |
|---|---|---|
| ビットコイン | BTC | いちばん名前が知られた仮想通貨 |
| イーサリアム | ETH | アプリや契約を動かす土台にもなる |
※日本銀行も、代表的な暗号資産としてビットコインとイーサリアムの名前を挙げています。イーサリアムの上では「スマートコントラクト」という、決めた条件で自動的に動くプログラムを動かせます。
1BTCの値段が高くても、0.001BTCのように小さく分けて買えます。交換業者によっては、1円分や数百円分から買えます。
このほかにも、たくさんのコインがあります。国内の交換業者で買えるコインの数は、会社によって十数種類から40種類以上までちがいます。数が多いほど良い、というわけではありません。はじめは、名前を知っているコインから見ていけば大丈夫です。
用語カード
銘柄(めいがら)
コインの種類のこと。「取扱銘柄が多い」は、買えるコインの種類が多いという意味。
スマートコントラクト
「この条件になったら、これを実行する」を自動で動かすプログラム。
買い方は3種類
How to Buy同じ仮想通貨でも、買い方によってリスクの大きさが変わります。

現物(げんぶつ)は、円を払ってコインそのものを買う、いちばん基本の方法です。持っているコインの値段が下がっても、損は最大で払った金額までです。
積立は、毎日・毎週・毎月など、決めたペースで決めた金額を自動で買うしくみです。500円から設定できる交換業者もあります。買う時期が分かれるので、「高いときにまとめて買ってしまった」を避けやすくなります。ただし、値下がりしないわけではありません。
レバレッジ取引は、お金を証拠金として預けて、その何倍かの金額を取引するしくみです。日本では、個人の倍率は最大2倍です。もうけも損も大きくなり、預けたお金が短い時間で大きく減ることがあります。はじめての人は、現物か積立からがおすすめです。
なお、証券会社が出している「CFD」という取引で、仮想通貨の値動きを売り買いする方法もあります。CFDはコインそのものを持たない取引です。たとえばDMM.com証券のTOSSYがこの形です(TOSSYの解説)。
現物を買う場所にも2つあります。会社から買う販売所はかんたんですが、買う値段と売る値段の差(スプレッド)が大きめです。利用者どうしで売り買いする取引所は、操作に少し慣れがいるかわりに、コストが小さめです。くわしい比べ方は取引所の比較でまとめています。
用語カード
現物取引
円でコインそのものを買って持つ取引。
レバレッジ
預けたお金の何倍かの金額で取引すること。仮想通貨の個人向けは最大2倍。
CFD
コインを持たずに、値段の差だけをやりとりする取引。売りから入ることもできる。
販売所・取引所
販売所は会社から買う場所、取引所は利用者どうしで売り買いする場所。
始め方は4ステップ
Getting Started口座づくりから最初の購入まで、スマホだけで進められます。

口座を申し込む
金融庁に登録された暗号資産交換業者を選び、メールアドレスと名前・住所などを入力します。
本人確認をする
マイナンバーカードなどの本人確認書類を、スマホで撮影して送ります。審査が終わると取引できるようになります。
円を入金する
銀行振込やクイック入金で、口座に円を入れます。入金のしかたで手数料がかかる会社もあります。
コインを買う
コインと金額を選んで注文します。はじめは少しの金額で、買う・売るの流れをためしてみましょう。
口座ができたら、2段階認証を必ずオンにしてください。ログインや送金のときに、パスワードとは別の確認コードが必要になる設定です。パスワードは、ほかのサービスと同じものを使わないようにします。
どの交換業者にするか迷ったら、手数料・買えるコインの数・最小金額を並べた取引所の比較記事を見てください。
用語カード
本人確認(KYC)
口座をつくるときに、本人であることを書類で確かめる手続き。法律で決められている。
2段階認証
パスワードに加えて、スマホに届くコードなどでもう一度確認するしくみ。
クイック入金
ネットバンキングから、すぐに口座へ円を入れる方法。
少額から始める考え方
Start Small仮想通貨は、少しの金額からでも同じように値動きを体験できます。
交換業者によっては、1円や100円から買えたり、500円から積立ができたりします。最初から大きな金額を入れる必要はありません。
入れるお金は、なくなっても生活に困らない金額にしましょう。家賃や食費、近いうちに使う予定のお金は使いません。
「1か月で何円もうかる」といった目標を先に決めるより、まずは次の3つを体で覚えるのがおすすめです。
値動きの大きさ
1日でどのくらい上がったり下がったりするかを、自分の画面で見ておきます。
コストのかかり方
販売所の価格差や、出金の手数料など、どこでお金がかかるかを知ります。
売るときの手順
買うだけでなく、売って円に戻し、銀行へ出金するところまで一度やってみます。
知っておきたい4つのリスク
Risks金融庁は、仮想通貨は法定通貨ではなく、価格が急に下がって損をすることがあると注意しています。
| リスク | どんなこと? |
|---|---|
| 価格変動 | 値段が大きく上下する |
| ハッキング・流出 | 業者や自分の口座から盗まれる |
| 詐欺 | うその投資話でお金をだまし取られる |
| 税金 | もうけに税金がかかる |
価格変動:値段は買う人と売る人のバランスで決まります。短い期間で大きく下がることもあります。
ハッキング・流出:金融庁の資料では、サイバー攻撃を受けて暗号資産が流出する事案が続いて起きていると書かれています。登録業者は、お客さんの財産を会社の財産と分けて管理することが法律で決まっていますが、全額が戻ると保証されているわけではありません。
詐欺:次の節でくわしく説明します。
税金:仮想通貨でもうけたお金は、原則「雑所得」として税金の対象です。円に戻さず、ほかのコインと交換しただけでも利益の計算が必要になります。くわしくは仮想通貨の税金の記事で、数字の例を使って説明しています。
用語カード
分別管理
お客さんのお金やコインを、会社のお金と分けて管理すること。
コールドウォレット
インターネットから切りはなした場所でコインを保管するしくみ。
雑所得
給与や事業などのどれにも当てはまらない所得。仮想通貨の利益は原則ここに入る。
詐欺の見分け方
Spot the Scam金融庁・消費者庁・警察庁は、暗号資産をめぐるトラブルについて連名で注意をよびかけています。

この注意喚起で紹介されている相談は、たとえば次のようなものです。
「絶対にもうかる」と言われた
セミナーやSNSで「絶対にもうかる」と持ちかけられて投資したら、返金されない・出金できない。
出金に追加のお金を求められた
知人にすすめられて振り込んだら、引き出すために追加の支払いが必要だと言われた。
登録のない業者だった
登録を受けていない業者(海外の業者もふくむ)にすすめられて投資したら、連絡が取れなくなった。
マッチングアプリで知り合った
アプリで知り合った人に投資をすすめられ、返金されない・連絡が取れない。
見分けるコツは1つです。「必ずもうかる」「今だけ」「あなただけ」と言われたら、お金を払う前に止まる。値段が動くものに「必ず」はありません。
使う会社が登録業者かどうかは、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で確かめられます。2026年9月1日時点で27社が載っています。偽のサイトに誘い込んでパスワードを盗む「フィッシング」の相談もあるので、ログインはブックマークや公式アプリから行いましょう。
困ったときの相談先は、金融サービス全般なら金融庁 金融サービス利用者相談室(0570-016811、平日10時〜17時)、あやしい勧誘なら消費者ホットライン(188)、詐欺だと思ったら警察相談専用電話(#9110)か近くの警察署です。
用語カード
フィッシング
本物そっくりの偽サイトや偽メールで、パスワードなどを盗む手口。
無登録業者
金融庁・財務局の登録を受けずに営業している業者。登録なしで暗号資産交換業をするのは法律違反。
よくある失敗
Common Mistakesはじめての人がつまずきやすいポイントを先に知っておくと、ムダな損を減らせます。
生活費で買ってしまう
値下がりしたときに、使う予定のお金が足りなくなります。余ったお金だけにしましょう。
一度に全部買ってしまう
買ったあとに大きく下がると、立て直しがむずかしくなります。分けて買う方法もあります。
販売所の価格差に気づかない
手数料無料でも、買う値段と売る値段の差があります。すぐ売ると減って見えるのはこのためです。
パスワードを使い回す
ほかのサービスから漏れたパスワードで、ログインされるおそれがあります。2段階認証も必須です。
コインどうしの交換で税金を忘れる
円に戻していなくても、交換で利益が出ていれば申告の対象になることがあります。
最初からレバレッジを使う
損が大きくなりやすい取引です。まずは現物で、値動きに慣れてからでも遅くありません。
仮想通貨は今後どうなる?
What Is Changing値段がこの先どうなるかは、だれにも分かりません。ここでは、決まっているルールの変化だけを紹介します。
2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が成立しました。金融庁の資料では、暗号資産の取引のルールを、いまの資金決済法から金融商品取引法(株などと同じ法律)へ移すとされています。株とは別の金融商品として位置づけられます。
金融庁の説明資料には、たとえば次のような中身が書かれています。
インサイダー取引の禁止
まだ公表されていない大事な情報を知る立場の人が、公表前に売り買いすることを禁止します。
流出に備えたお金の積み立て
不正な流出が起きたときにお客さんへ補償するためのお金(責任準備金)を、業者が積み立てます。
無登録業者への罰則を重く
登録せずに営業した業者への罰則を、拘禁刑3年から10年へ引き上げます。
この法律は原則として、公布の日から1年以内に、政令で決める日から動き始めます。2026年10月14日時点で、その日を示す公式の発表は出ていません。
税金も変わる予定です。仮想通貨のもうけを20%の申告分離課税にする改正が決まっていて、この金融商品取引法の改正が動き始めた年の翌年1月1日以後の売買から使われます。いつからかは、上の施行日しだいです。くわしくは税金の記事をどうぞ。
用語カード
金融商品取引法
株や投資信託、FXなどの取引のルールを決めている法律。略して金商法。
インサイダー取引
公表前の大事な情報を知っている人が、その情報を使って売り買いすること。
施行日
決まった法律が、実際に動き始める日。
よくある質問
FAQ仮想通貨と暗号資産は違うものですか?
同じものです。2020年5月に施行された法律の改正で、法律上の呼び名が「暗号資産」になりました。金融庁や国税庁の資料では「暗号資産」が使われています。
仮想通貨はいくらから始められますか?
交換業者によっては、1円や100円から買えます。積立なら500円から設定できる会社もあります。
仮想通貨を始めるのに必要なものは?
スマホ、メールアドレス、マイナンバーカードなどの本人確認書類、入金に使う銀行口座です。
仮想通貨は儲かりますか?
値上がりすれば利益になりますが、値下がりすれば損をします。必ずもうかるものではありません。「絶対もうかる」という誘いは、詐欺の典型的なサインです。
仮想通貨が0円になることはありますか?
あり得ます。仮想通貨には国の保証も裏づけの資産もないため、買う人がいなくなれば値段は大きく下がります。
海外の取引所を使ってもいいですか?
日本で登録を受けていない業者は、日本の居住者に向けて営業できません。トラブルのときに守られにくいので、金融庁に登録された交換業者を使いましょう。
交換業者がつぶれたら、預けたコインはどうなりますか?
登録業者は、お客さんの財産を会社の財産と分けて管理することが法律で決まっています。ただし、全額が戻ると保証されているわけではありません。
仮想通貨で利益が出たら税金はかかりますか?
かかります。原則「雑所得」として、給与などと合わせて計算します。会社員は、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。
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出典:日本銀行「教えて!にちぎん」暗号資産(仮想通貨)とは・金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」・金融庁ほか「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」(2026年10月14日確認)/日本暗号資産等取引業協会 統計情報(2026年10月2日現在)/金融庁 第221回国会の法律案・資金決済に関する法律(e-Gov法令検索)(2026年10月14日確認)
